ちょうど今頃の9月中旬から10月上旬に、運動会や体育祭などの学校行事があるところが多いのではないでしょうか。最近の流れとして、学校行事が減少または縮小傾向にあるように思います。それはなぜでしょうか?また、それで本当に良いのでしょうか?

学校行事は児童生徒のためにある

 まずは当然ですが、学校行事は児童生徒のためにあります。準備期間から考えても、その実施までにはとても多くの時間と労力を費やしています。そこまでしてその学校行事を行ってきたのには、座学の中では得難い何かしら児童生徒を成長させることができる魅力があったからなのでしょう。それにもかかわらず学校行事が減少・縮小しているのです。

子どものためか、大人の都合か

 学校行事が減少・縮小している一番の要因は、「働き方改革」の流れでしょう。私は、基本的に「働き方改革」の考え方には大賛成です。しかしそれは、子ども達に直接関係のないところの改革が最優先だと思います。「だらだらとした長々しい会議」「無意味な出張」「誰が読んで活用しているのか分からない文書作成」などなど、切り落とせることはもっと他にあるように思います。
 私の勤務校でも、何年か前に「全校遠足」という行事がなくなったそうです。異動してきて1年目の時、何人もの保護者の方から「どうしてなくしてしまったのでしょうか?」と聞かれました。当然、私は廃止当時にはおりませんでしたから答えられませんでした。が、おそらく「大変だから」「時数確保が難しいから」などの理由からだったのではないかと想像しています。これらは大人の都合です。楽しみにしていた子どもは納得しないでしょう。

学校行事の意義・目的を再考

 何のために行うのか?、どのような資質能力を身に付けさせるのか?、行事を終えた後の子どもの姿は?などを明確にし、「いや、この行事は我が校の目指す子ども像には到達させられないよね」となって初めて廃止を考えるべきだと思います。
 しかし、多くの場合、その行事でしか成長させられないこと、その行事でこそ大いに期待できることがあるのではないでしょうか。私自身が振り返ってみても、子ども達が学力とは別に大きく成長・変化したのは、大抵が学校行事の後であるように思います。

大人こそ学校行事に本気で燃えるべき 

 前回のテーマ『興味・関心』の時にも述べましたが、子ども達を取り巻く環境である大人こそが、学校行事に本気で燃えてほしいですね。保護者はお子さんが良い結果が得られるように全力で応援してほしいし、先生も子ども達の先頭に立って本気の姿を見せてあげてほしいです。頑張りたい子も、苦手な子も、きっと勇気づけられ、自分の全力をもって挑戦すると思います。その姿を見逃さず、しっかりと評価してあげれば、座学では得られない力が得られると思います。
 かく言う私も、毎年運動会では表現指導を担当し、練習初日に衣装も着て全力で演目のすべてを子ども達に披露することを行っています。大変ですが、子ども達の目の輝きが違います。学校行事が、子ども達にとって有意義なものになることを私は期待しています。皆さん、共に頑張りましょう。

すずめ踊りを披露するまるねこ先生

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