教職を志された皆さんですから、基本的に子どものことは好きだと思います。しかし、学校・教室という中で、あなたが教師として一人で子ども達と関わっていくことに不安をもたれているのではないでしょうか?
 “うまく子ども達をまとめられるかな?”“適切に叱れるかな?”“反発されないかな?”このような不安は誰しももっていると思います。子どもの生活の中では、学校は大部分を占めていますが、すべてではありません。どんなに努力してもうまくいかないこともあります。

 ここでは、子どもとの関わりの中で私が心掛けていることを“10のルール”として紹介していきます。ぜひなるほどと思うことがあれば参考にしてみてください。

子どもと出会う前に出来ること

➀子どもの名前を覚える
 これは当然のようにやっておきたいです。いきなり初日に「〇〇さん、おはよう!」と名前で声を掛けてあげると子ども達は喜びます。

②家族環境・兄弟関係を把握する
 子どもの家庭環境や兄弟関係を知ると、その子の学校以外の様子を想像することができます。厳しい家なのか、学校には協力的なのか、上の子はどんな様子なのかなどは、とても有益な情報です。

③誕生日を気にしておく(低学年は特に)
 誕生日を気にする一番の理由は、早生まれか遅生まれかを知るためです。特に小学校低学年の子には、この一年近差は大きなデメリットとなります。このことを知った上で関わることで支援がしやすくなります。

子どもと会って数日の間にやりたいこと

④朝から爽やかにあいさつ
 なんだか普通かもしれませんが、先生の爽快元気なあいさつの効果は絶大です。明るくてキラキラした雰囲気を先生が朝から醸し出せていたら、子どもも笑顔になって元気に寄ってきます。しかし、これを継続するのは結構大変です。

⑤先生が大切だと思うことを伝える(できるだけ絞る。多くても3つ)
 これは、いわゆる『黄金の三日間』と呼ばれる間に行っておくと良いことです。先生が大切にしたいこと、みんなに守ってほしいこと、学習や友達について、先生が叱る基準など、学級づくりに軸となる部分です。ここがブレる先生には、子どもがついてきません。どうかじっくりと考えて、これだという揺るぎないことから伝えていってください。

⑥基本的ににこにこと笑顔でいてよく笑う
 基本的ににこにこしていましょう。なぜかというと、自分も子どもも気持ちが楽になるからです。多少のことなら笑い飛ばすくらいが丁度いいと思います。しかし、ここはという場面では、毅然とした態度で接する。このギャップが大切だと思います。普段にこにこしていれば、大抵のことは表情を無にするだけで子どもが悟ってくれるようになります。

年間を通してやりたいこと

⑦子どもに興味を示す大人でいる
 休み時間、職員室に籠るようでは子どもとの関係は築けません。始めのうちは特に、一週間のうちで全員と休み時間に関わるくらいの気持ちでいたいものです。一緒に外で遊んだり、何に興味をもっているのかリサーチしたりする努力も必要です。

⑧適切な叱り方、認め方をマスターする
 『認めたり褒めたりは全体で大げさに、叱る時は静かな場所でこっそりと』が基本です。また、頭ごなしには絶対に叱りません。まずは子どもの話を最後まで聴き、そうしてしまった子どものありのままを受け止めてから、教師が話をするようにしましょう。その時は『iメッセージ』を伝えるといいでしょう。

⑨子ども達と様々な時間を共有する
 楽しい時間、辛い時間、悲しい時間、充実した時間などをなるべく子ども達と共有しましょう。子どもだけが苦しむ、子どもだけが楽しむのでは、教師が何かを語っても子どもには入っていきません。同じ時間、同じ空間で、その感情を共有したからこそ通じ合えることがあると思います。

⑩『2:6:2理論』を意識する
 集団で子ども達を考えた時、10の内2は、何をやってもあなたのことを理解してくれます。同様に、10の内2は、どんなにあなたが頑張っても理解してくれません。残りの6は、どちらにもなる可能性がある子ども達です。この“6の子ども達”を理解者側にもってこられるかが重要です。つまり、集団が“8:2”の状態であればある程度は落ち着いて過ごすことができ、“2:8”の状態であれば学級崩壊が危惧されます。
 別の視点で見れば、“10:0”を目指したいが上手くいかない。それはあなたのせいではないということです。気を落とす必要は全くありません。

最後に一言

 いかがでしたか?これらがすべてではないですし、人によって合う合わないがあると思います。自分に合うことや、これだと思ったことをぜひ試してください。そして、上手くいったことは継続して自分流にしてほしいと思います。
 子どもとの関係がうまくいっている教室ほど楽しいところはありません。よいスタートが切れることを願っています。

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