コロナショックで騒然としている中、どうやら新年度はスタートしそうです。中堅の私でさえ不安感がありますから、新卒の方や若手の方は、さぞ大きな不安を抱えていることでしょう。
 今回は、『4月から教壇に立つ先生へ』の第三弾です。学級経営において大切なことはおそらく山ほどあって、しかしそれがすべてあなたにとって必要かと言えばNOだと思います。多くの書籍でも紹介されている学級経営の極意ですが、私から見た大切なことを2つに絞って紹介したいと思います。

子ども達と共に考え創り出す学級経営

 まず一つ目は、『子ども達と共に考え創り出す学級経営をすること』です。“共に考え創り出す”とはどういうことか。それは、子どもに考えさせ判断させ決定させる余地をもち、子ども達と一緒に学級を創っていくことです。決してなんでもかんでも教師が指示を出し、子ども達をを意のままに動かしたり抑え込もうとしたりするような学級経営にしないことです。

 後者は、一見子ども達が教師の言うことをよく聞いて落ち着いた学級に見えると思います。しかし、大きな問題点が2つあります。それは、

×➀子どもが思考停止になり主体性を失うこと
×②納得がいかない、自由にさせてもらえない等の不満を溜め込んでいくこと

このような子ども達の状況では、押さえ付けられていたものがいずれどこかで爆発します。もはやデメリットしかありません。

 一方前者は、メリットとして3点挙げられます。それは、

◎➀“自分達で決めたこと”なので問題が起こっても子ども達は納得することができる
◎②意見を出し合う中で意見がぶつかった時に“折り合いをつける”経験ができる
◎③常に周りを見たり先を読んだりして“主体性を身に付ける”ことができる

時には教師の一方的な指示が必要な時ももちろんあります。しかし基本的な教師のスタンスとして、子ども側に軸足を置き、子ども達と共に学級を創っていこうとする態度が大切です。
 デメリットとして挙げるなら、時間はかかりますし、時にもめることもあると思います。その場合、教師が手腕を発揮して話題を焦点化させたり話し合いをふり返らせたりすることも欠かせません。しかし、この継続で教師自身の力も付いてきます。子どもも“この先生は自分たちの話をよく聞いてくれる”と信頼関係を築くことにも繋がります。そう考えると、もはやデメリットではないかもしれません。

自分の個性・得意を発揮した学級経営

 次に二つ目は、『教師自身の個性・得意を発揮した学級経営』をすることです。これは、学級で大切にしたいこと、先生が叱ることなどの学級のルールとは別の話です。このルールについては以前の記事『子どもとの関わり10のルール』でも紹介しています。https://marunekoblog.com/ten-rules-between-teacher-and-children/そうではなく、あなた自身の個性や得意を存分に学級で発揮してほしいということです。

 例えば、私は体育が専門なので、ボール運動などのチームスポーツでは、そのチームを大切にし、ありとあらゆる活動をそのチームでグループ活動にしたことがあります。時にはもめることもありますが、最後の方にはもはや阿吽の呼吸です。チーム解散の時にはみんな抱き合って解散を惜しみます。また、長縄で全校一を目指した年もありました。何度も話し合いを重ね、休み時間もみんなで声を掛け合って練習し、なんと2年生で全校一を達成したこともありました。
 国語を中心に学級経営した年は、授業で出てきた短歌から百人一首にまで広げ、学級で百人一首大会を行ったこともあります。定期的に“ちはやふる大会”を実施し、そのたびに成績上位者を掲示していました。その学年が終わる頃には、ほぼ全員が百人一首を暗唱している状態になっていました。
 他にも、私ではありませんが、ギターが得意な先生が弾き語りをして、子ども達の好きな歌をみんなで歌っている学級も見たことがあります。ICTが得意な先生は、行事が終わるたびにパワーポイントで活動の様子を子ども達に見せて振り返りをしている学級もありました。

 これらのように、先生が個性や得意を生かすと、子ども達も目を輝かせて生き生きとしてきます。お互いを認め合う雰囲気があり、失敗しても助け合うようになります。
 あなたの得意は何ですか?あなたの強みは何ですか?あなたがやってみたいことは何ですか?それを全開に表現して学級経営してみましょう。

最後に一言

  一つ注意してほしいのは、学年を組む先生方や管理職に、自分はこのように学級経営をしたいが大丈夫かと相談することです。何も相談なしにやってしまうと周りから浮いてしまい、反感を買いかねません。ここで私が語ったようなことをあなたの言葉で語り、ぜひ承認を得てください。

 他にも大切なことは多々あるかと思いますが、私はぜひこの2点を試してほしいと思います。そして、素敵な学級を子ども達と創り出していってください。

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