11月11日、日本テレビ『人生が変わる1分間の深イイ話』が放送されていました。そこで紹介されていた、元アイドル歌手で有名な『アグネス・チャン』さんは、なんと超難関スタンフォード大学で教育学博士号を取得しており、さらにトロント大学で教育心理学も学んでいる教育・子育てのプロだというのです。さらに、その3人の息子も全員スタンフォード大学を卒業させているというので驚きました。子育て本も世界7か国で出版されているということで、これは何か教育・子育てのヒントが得られると思い、勉強する気持ちで見ることにしました。

アグネス・チャンの子育て術

『子どもは生まれた時から学びたいと思っている』・・・
それゆえ、小さい時は刺激が多い方がいい。毎朝の食事のレパートリーを変える。時には食べる場所も変える。常に新しい刺激を与えると地頭が良くなる。

『どんな時も子どもの話はしっかり聞く』・・・
子どもの質問には「ちょっと待って」は言わない。「よく聞いてくれた!嬉しい!」と認める。質問することは良いこと。分からないがあることはいいこと。子どもにもそれが伝わるようにする。

『事前に教えることで反抗期ほぼなし』・・・
子どもに「9歳くらいからホルモンの影響で自分をコントールできなくなる。」と事前に話しておく。「お母さんのせいでも、自分のせいでもない、ホルモンのせいだ。」と知らせておくことで、その時が来ても子どもが対応できる。

『学校は子どもに決めさせ、行きたいと思うところに行かせる』・・・
3人の息子たちは、全員、高校はアメリカの山奥にあるサッチャースクールというところに留学。入学と同時に一人一頭の馬を預けられ、世話を続けるという特徴があるそう。大学も自分たちでスタンフォード大学を選んだ。

 “子どもの話はしっかり聞く”や“学校は子どもに決めさせる”などは、これまで私のテーマでも書いてきたことでしたので、とても共感できました。一方、もちろん学ぶこともありました。例えば“小さい頃は刺激が多い方がいいので、朝食を毎日変える”は全くできていないことでしたし、“反抗期前にホルモンのことを教える”のは驚くと同時に納得できました。

子ども達の姿から分かること

 アグネスさんが乳がんを患い闘病生活で笑顔がつくれないでいると、それを見た三男(当時小学生)が毎日自分で考えたダジャレを病院にいる母に言いに来たといいます。これは、アグネスさんがいつも笑顔でいた証拠でもあるし、小学生の子どもがお母さんを笑顔にさせるために自分に何ができるかを懸命に考えた素敵な話だなと思いました。

 さらに、子育てしていたアグネスさんが「良い家族なんだろうね?」と、長男が3歳の時に尋ねたことがあるそうです。その時は遊びに夢中で返事は返ってこなかったそうですが、寝る直前になって「良い家族ってね、(心を手で押さえて)ここがぎゅーって温かくなるんだよ。」と答えたそうです。アグネスさんはそれを聞いて“家族ってそれでいいんだ”と思えて、とても勇気付けられたと言います。私は涙が出てきました。

知識と愛情、続ける実践力

 アグネスさんや子ども達の逸話から分かることは、良い子育てをする上で、そのための知識は必要だと思いました。アグネスさんは超難関大学で学んでいます。しかし今は情報化社会です。本気で調べようと思ったら、誰でも何でも調べられるし学べるはずです。まずは、情報収集をして確かな知識を得ることだと思いました。自分の性格や子どもに合う合わないもあると思います。とにかく得た知識を試し、自分たちにぴったりな子育て術を見付けることが大切かなと思いました。
 そして、最も大切なのは愛情だと思いました。そんなこと当然だろうと言われるかもしれませんが、3歳の我が子に「良い家族って、ここがぎゅーって温かくなるんだよ。」って言わせる自信は、私にはありません。これはどれほどの手間暇をかけて子どもと向き合ってきたかに他ならないと思います。それはまさしく、どこまでも我が子を思う愛情なんだと、私には感じられました。
 一番難しいと思うのは、知識と愛情をもって、どんな時も、どんなに忙しくても、たとえ自分が病気になっても実践し続けることです。でもそうすることで、いつか子どもから様々な形でそれが返ってくるのだなと思いました。私はまだ教育者としても中堅、子育ては初心者です。アグネスさんのように努力し、“ああ、子どものために尽くしてきてよかったな”と思える人間になりたいと思いました。

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